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宝石の透明度とカット

 宝石の見た目の美しさに大きく貢献するのは、まずは色彩、次に重要なのは、透明度といわれています。

宝石商の間では、俗に「てり」(輝き)といっている品質の基準があるのですが、その「てり」を左右するのが透明度です。

貴石と呼ばれる宝石のほとんどは、透明石です。

同種の宝石においては、透明度の高いものほど高い品質、透明度の低いものほど低い品質というのが、一般的な評価になります。

ところで、宝石のカットに、ファセットカットカボションカットがあるのをご存知ですか?

ファセットカットは切子型のカットで、通常透明な宝石をカットする方法です。ファセットカットは、数多い面によって、輝きを最大限に生かすからです。

カボションカットはむっくり型で、ふっくらした曲線のカットです。これは、内部からの輝きを期待できないとき、表面の艶と、形の美しさを見せるカットです。

つまり、透明度が高く、輝きのある宝石は、ファセットカットで仕上げられ、半透明あるいは不透明の宝石は、カボションカットで仕上げられるわけです。

思い浮かべてみてください。同じルビ−なのに、ファセットカットのものは高額で、カボションカットのものは、お手ごろ価格ということがありませんでしたか?これは、同じ程度の色彩であれば、ファセットカットのものは、透明度が高く、カボションカットのものは、透明度が低い場合が多いため、価格の差になって出てきてしまうのです。

もちろん、これは一般論です。スタ−やキャッツアイの出る宝石は、必ずカボションカットです。透明度が低くても、美しい色彩を持ったカボションカットの宝石は、もちろん価値あるものです。あの美しい翡翠は、その代表選手。半透明のため、ほとんどカボションカットです。

ファセットでカットすべき宝石がカボションカットされていたり、カボションカットされるべき宝石を無理やりファセットカットされてしまうのは、本当に残念なことなのです。カットというのは、その宝石の個性を最大限に生かすもの出なくてはなりません。ファセットでも、カボションでもその宝石の魅力が生かされていることが最も重要なことなのです。